ハウスメーカーの住宅展示場は広すぎて実際に住む家のイメージがつかめない…。
「完成見学会」に参加してみようかと思うんだけど、初めてで何をどう見ればよいのやら?
イイネ♪
今回は
・完成見学会のメリット
・チェックすべきポイント
・見学会の事前準備
を解説するね☆
これを読めば初心者でも完成見学会をフル活用できるよ!
「完成見学会」専用チェックシート
完成見学会専用のチェックシートをファイリングしやすいB5サイズで作成してみました☆
よかったらpdfをダウンロード&プリントして使ってくださいね♬
具体的なチェック方法や注意点はこの記事でご紹介します!
完成見学会のメリットは?
「完成見学会」は、完成したばかりの新築住宅をオーナーさんに引き渡す前に一般公開し、見学してもらうイベントのことを言います。
完成見学会に参加するメリットは、そのハウスメーカー・工務店が建てたリアルな家を見学できる点です。
住宅展示場のモデルハウスは家の面積が60坪以上で、一般的な住宅30~40坪と比べるととても大きいです。
また、より豪華に見せるためオプションがふんだんに使われているため、実際に住む家をリアルに想像できないというデメリットがあります。
「完成見学会」であれば、実際にオーナーさんが存在するリアルな家ですので、実際に暮らしているイメージができますね。
でも、家のオーナーは他人が見学に来て迷惑じゃないの?
後から見学料を請求されたりしない??
新築なのにキズとかつけられたら…?自分だったらイヤだなぁ~
実際、心配だよね!
では、家を貸してくれるオーナーさんと間に入るハウスメーカーのメリットや相関関係について解説するね!
●施主(オーナー)さんのメリット
引渡し前の家を数日間一般公開するため、謝礼として金券や現金など、数千円~数万円分を受け取れる場合が多いです。
また、完成見学会中についた汚れ・キズなど、多くはハウスメーカー・工務店の方で責任をもって補修。完成見学会終了後にはハウスクリーニングして引き渡しする形になっているので、その点は安心です。
※ハウスメーカーや工務店により対応が違いますので、家を貸し出す場合は事前に確認しましょう!
●ハウスメーカー/工務店のメリット
住宅展示場だけでなく、実際の家をお見せすることはクロージングする上で、大きな説得材料になります。
30坪~40坪台の住宅展示場を作れば良いのでは?と思われるかもしれませんが、
・住宅1棟作る土地+建物のコスト
・税金や光熱費などの維持費
・デザインや間取りのトレンド変化で古くなる
などの高いリスクを考えると、短い期間で今現在のリアルな家を見せられる「完成見学会」はコスパが高いですね。
【関係者のメリット相関図】
「完成見学会」は、家づくりを検討中の家族・家のオーナー・ハウスメーカー/工務店、3者にとってメリットがある仕組みになっていることがわかりますね。
完成見学会に参加しても金銭を取られることはないので安心してね☆
ただし、家を汚したりキズつけたりするのは誰も得しないのでモラルを守って参加しましょう♪
完成見学会のチェックポイント
ここからは、完成見学会で何を見て、何を聞くべきか?
チェックポイントをまとめました。
①家族構成
施主(オーナー)さんの家族構成をチェックします。
家族構成から見ることで、実際の暮らしをイメージして 暮らしやすいかどうかを想像しましょう。
また、家族構成が近ければ、自分に重ね合わせて間取りや動線の参考にします。
②土地の情報
土地の基本情報3点をチェックします。
チェックしておくと、土地探しの時に「自分達の家を建てるにはどれくらいの土地が必要なのか?」という目安にもなります。
①土地の坪数
②土地の建ぺい率
💡建ぺい率(けんぺいりつ)とは?
土地の面積に対して、「建てていいよ!」とされる建物の1階部分の面積比率です。
例えば、100坪の土地に対して、建ぺい率が60%の場合、1階の床面が60坪までの家を建ててOK!
※「建築基準法」で土地ごとに決められているので土地探しの際は要チェックです!
③土地の容積率
💡容積率とは?
敷地面積に対する延床面積の割合のこと。
例えば、100坪で容積率200%の土地ならば、階層を増やして合計200坪までの建物を建てられます。
③建物の情報
建物の基本情報3点をチェックします。
1階や2階の面積をチェックしてくと、自分達が作ろうとしているサイズと比較して「ちょっと狭いかな?」「もう少し広い方が良い」など図面上の数値と実際の感覚のギャップを埋めることができますね。
①1階床面積
②2階床面積
③延床面積
💡延床面積(のべゆかめんせき)とは?
建物の全ての床面積を足した面積のこと。
例えば、「1階の床面積15坪」で「2階の床面積15坪」の家は、1階+2階の合計で「延床面積は30坪の家」になります。
平屋の場合は、2階がないため1階の床面積がそのまま延床面積になります。
④間取り
LDKのサイズや、間取りの特長、子供部屋などをチェックします。
・間取りは何LDK?
・階段の位置は?
・洗面所や脱衣所のスペースは十分か?
・靴や食糧庫など、収納量は足りるか?
⑤子供部屋
・子供部屋の数
・各子供部屋の広さ
お子さんの人数や年齢差、どこまで将来を見据えるか?で子供部屋の設計が変わります。
・子供部屋を予定人数分作っておく
・広めの部屋にしておき、間仕切り壁で部屋数を調節できるようにする
※お子さんが巣立った後の部屋の使い方も考慮に入れながら見学しましょう。
⑥断熱性能
家の断熱性能を示す数値
- Ua値(読み方:ユーエーチ)
-
日本語訳で「外皮平均熱貫流率」です。
外皮を介して家全体の熱がどれくらい逃げやすいか?を表す数値になります。
「熱の逃げやすさ」を表す数値なので、Ua値は低い方が断熱性能が高いです。
単位はW/㎡k(ワット・パー・ヘイベイ・ケルビン)と読み、
一般的な基準値は0.87W/㎡k
東北など寒冷地基準では0.46W/㎡kですので、それよりもUa値が低い住宅であれば、断熱性が高い家だと言えます。
断熱性に自信のあるメーカー・工務店であれば、このUa値はホームページやカタログでも公表しています。
⑦機密性能
続いては気密性能の比較です。
気密性はC値(シーチ)で表されます。
「相当隙間面積」の事で、建物内全体のスキマがどれくらいあるか?を示す数値です。
スキマは少ない方が気密性が高いので、C値が低ければ低いほど気密性が高い家だと言えます。
単位は、㎠/㎡(ヘイホウセンチメートル・パー・ヘイホウメートル)と読み、
高気密を売りにしているメーカー・工務店であれば、C値の基準は「1㎠/㎡」を切るのが目安です。
●10㎠/㎡で、家にA3用紙1枚分のスキマがあいているのと同じくらい
●2㎠/㎡で、家にはがき1枚分のスキマがあいているのと同じくらい
⑧耐震性能
耐震性能を表す「等級」が3つあります。
等級 | 性能レベル | 震度6強~7クラス発生時の安全性 |
耐震等級1 | 建築基準法で決まった最低限の性能 | 即倒壊せず避難時間が見込める |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の地震に耐える性能 | 倒壊の可能性は低い |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の地震に耐える性能 | 損傷が少なく、地震後も住み続けられる |
※「耐震等級1」は法律によりクリアしなければならない最低限の基準になりますので、耐震等級は2以上であるか?をチェックしましょう。
次に、地震対策の種類は次の3つになります。
①耐震…建物の壁に耐力壁(たいりょくへき)という筋交いを設けることで、地震の揺れに耐える。
②制震…制震装置が揺れを吸収することで、建物自体へ揺れを伝えにくくする。
③免振…基礎と建物の間に免震装置を設置し、揺れが建物に伝わらないようにする。
※②の制震については、「ダンパー」という制振装置を設置し、建物へ揺れが伝わるのを防ぐ仕組みがあります。
制振ダンパーに対応できる家であれば、以下どの種類のダンパーが設置されるのか確認しておきましょう。
制震ダンパーの種類 | メリット | デメリット |
ゴムダンパー | 伸縮により繰り返す地震に強い | 気温に左右される |
金属ダンパー | 比較的価格が安い | 繰り返しの地震には弱い |
油圧式ダンパー | 大小・繰り返す地震にも対応 | 設置本数が多く価格が高い |
⑨工事の質
近年は住宅工事に携わる職人不足で、どの住宅会社も職人の確保が大変な状況にあります。
せっかく良い設計ができても、大工や内装など、工事の質が悪いと満足な家にはならないため、そのハウスメーカー/工務店が使っている業者の工事の質をチェックしておきましょう。
・壁紙やクロスにハガれ、浮きは無いか?
(クロスは約90cm幅に継ぎ目が来るため、継ぎ目が不自然ではないか見る)
・塗り壁部分にムラやヒビ、亀裂などがないか?
・フローリングが浮いていないか?歩いた時 不自然な音がしないか?
・ドア・窓・扉などスムーズに開閉するか?
・家の基礎にヒビなどが無いか?
⑩家事動線
家事(料理・洗濯・掃除)は毎日行うため、効率の良い動線は重要です!
実際の家事行動を想像しながらシミュレーションし、スムーズな動線かどうか確認します。
また、アクセスのしやすさ(例:ドアは引き戸ではなく開き戸の方が良い)など、自分に最適な動線づくりの参考にします。
⑪デザイン
住宅のデザインは沢山ありますが、参考までに昨今多く見られるデザインテイストを分類してみました。
和風 | 和モダン |
洋風 | アメリカ風(カントリー) |
カリフォルニア風(西海岸・サーファーズハウス) | |
ニューヨーク風(ブルックリン) | |
南欧風 | ヨーロッパ(イタリア・スペイン・ギリシャ・南フランス) |
北欧風 | スウェーデン風(家具のIKEAさんのような感じ) |
その他 | ホテルライク・シンプル・ナチュラルなど |
デザインの好みは人それぞれ違いますので、
単純に「好き」「普通」「嫌い」でざっくり評価しておきましょう。
⑫価格
建物本体の価格を確認しましょう。
①建物本体価格(構造物+設備全体)がいくらなのか?
②付帯工事価格(屋外給排水工事・電気工事・地盤改良工事等)がいくらなのか?
※付帯工事は住む土地によって変わるので、あくまでも建物本体の価格と分けて把握しておきましょう。
⑬オプション
特に気に入った床材・建具・設備などが有る場合、何が標準で何がオプションなのか?確認しましょう。
いざ、その住宅会社で建てる際に「お気に入り部分がオプション仕様で総額が相当あがってしまった!!」という失敗を未然に防ぐことにつながります。
⑭希望設計の実現度
その家を建てた施主(オーナー)さんが、どんな設計を希望したのか?
そして、その希望に住宅会社がどれだけ応えられたのか?を見極めるためのチェックポイントです。
完成見学会の担当営業マンに、以下を質問しましょう。
そのこだわりポイントを実現するためにした工夫した点や、苦労した事、施主様の反応なども合わせて聞いてみましょう。
実際にこだわった設計部分を確認して、その希望の実現度を低・中・高でメモしておきましょう。
希望設計の実現度が高い会社であれば、自分達が家を建てる際にも希望に沿った設計を実現できる確率が高いと言えます。
完成見学会の事前準備(おまけ)
完成見学会に初めて参加される、という方向けに事前準備しておいた方が良い事をリストアップしました。
- 場所の確認
オーナーのプライバシー保護の観点から、ホームページ等には住所の都道府県・市区町村以下の詳細が公開されていない場合があります。当日遅刻や迷子にならないためにも予約時に確認しましょう。 - 自分の予算感・間取り・坪数は把握しておく
自分がどのような家を建てるのか構想がないまま参加すると、比較・参考になりにくいです。 - 靴下・手袋・メジャーを持参
引き渡しを控えた大切な家ですので、汚れ・キズに配慮して靴下・手袋を持参しましょう。
また、メジャーは各種寸法を測るのに使いますが、金属製より紙・布製の柔らかい素材の方が内装にキズつけたりする心配がありません。 - 予め現在所持している家具の寸法を測っておく
自分の家を建てた際に、持ち込む予定の家具の寸法を測っておくと、実際に置くとどれくらいのスペースをとるか?などが想像しやすいです。 - 子供は極力連れて行かない
特に小さい子供は、走ってケガをしたり内装にキズを付けたりするリスクが高いです。
できるだけ親御さんに預けてくるなどした方が良いですが、止むを得ない場合は、内覧と子供の管理を夫婦で交代制にするなど工夫しましょう。 - キッチン・トイレ・お風呂の水は出さない
オーナーの立場に立つと、特にお手洗いは使用してほしくないでしょうね!
原則的に水廻りは使えないと思った方が無難です。 - 飲食物は持ち込まない
飲食物などをこぼして汚してしまう恐れがあるので 持ち込まない方が無難ですね。 - 写真を撮る場合は担当に確認する
オーナーさんと住宅会社の間で撮影可否の取り決めがある場合もあるため、撮影する前に担当者に確認しましょう。
今回は、完成見学会のメリットとチェックポイントを解説したよ!
他にも家づくり初心者さん向けの記事を書いているのでぜひ見てね♬